第19回 2018年度(平成30年度)
日本内分泌学会若手研究奨励賞(YIA)受賞コメント(所属は受賞当時)

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和歌山県立医科大学 内科学第一講座
(糖尿病内分泌代謝内科)

浦木 進丞

この度は第91回日本内分泌学会におきまして、若手研究奨励賞という名誉ある賞を頂戴し、大変光栄に存じます。会長の中里雅光教授をはじめ、選考委員の先生方並びに関係の先生方に心より御礼申し上げます。

下垂体腫瘍の増殖メカニズムは不明な点が多いとされていますが、本研究では、ミスマッチ修復遺伝子のMSH6、MSH2の発現低下が細胞周期調節機構であるATR-Chk1経路の機能低下を介して直接的に下垂体腫瘍増殖を促進することを示しました。MSH6、MSH2の発現は下垂体腫瘍増殖予測因子として有用である可能性が考えられます。下垂体腫瘍におけるミスマッチ修復遺伝子の役割はまだまだ未知の部分も多く、この度の受賞を励みとして、更なる研究の発展に向けて努力する所存です。

最後に本研究のご指導を頂いた有安宏之先生、赤水尚史教授をはじめ本研究を支えてくださった多くの先生方にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。

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京都大学医学部附属病院 糖尿病・内分泌・栄養内科

金井 有吾

この度は第91回日本内分泌学会学術総会において、若手研究奨励賞を賜り大変光栄に存じます。

当研究室ではナトリウム利尿ペプチドの一つであるCNPの骨伸長作用を主に研究しており、近年報告されたオステオクリンというペプチドホルモンがCNPの作用を増幅させる可能性があるというところから研究が始まりました。結果、in vivoにおいてオステオクリンの骨伸長促進作用とその作用機序を示すことができました。海外ではCNPの小児軟骨無形成症に対する臨床試験が行われています。本研究が、CNPと同様に骨伸長障害に対する治療の一助になればと願うばかりです。

最後に、日頃よりご指導いただきました稲垣暢也教授、八十田明宏先生を始め、温かいご指導とご支援をいただいた多くの先生方、また当研究室の仲間に、この場をお借りし心より感謝申し上げます。

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神戸医療産業都市推進機構 先端医療研究センター

金子 賢太朗

この度は第91回内分泌学会学術総会におきまして若手研究奨励賞という名誉ある賞を受賞し、大変光栄に存じます。

肥満では、脂肪細胞から分泌される摂食抑制ホルモンであるレプチンの視床下部におけるレプチン抵抗性の存在が知られていますが、その分子実体は未だ解明されておりません。今回私は、 "腸管由来GPCRリガンド−視床下部GPCR−Rap1活性化"という腸脳連関に基づく新しいレプチン感受性の制御メカニズムを解明することができました。これまでレプチン抵抗性を誘導する液性因子の存在は報告されていないことから、過栄養によるレプチン抵抗性の発症メカニズムの一端を明らかにできたと考えております。

今回の受賞を励みとし、更なる研究の発展に貢献したいと考えております。最後になりましたが、御指導頂きました中尾一和教授、鍋島陽一教授、福田真Assistant Professorをはじめとする御世話になった先生方にこの場を借りて心から感謝申し上げます。

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千葉大学大学院医学研究院 細胞治療内科学

坂本 憲一

この度は、歴史ある日本内分泌学会若手研究奨励賞を賜り、大変光栄に存じます。選考委員ならびに関係の諸先生方に深謝申し上げます。

高齢化社会の到来に伴い、骨格筋量と筋力の低下と定義されるサルコペニアが注目されていますが、その病態生理は明らかではありません。私は新規遺伝子R3hdmlが特定の条件下で骨格筋組織に発現し、骨格筋の分化再生に影響を与えることを、独自の視点で明らかにしてきました。今回の受賞を励みにして、今後更なる研究の発展に向けてますます努力していく所存です。

最後に、本研究においてご指導いただきました横手幸太郎教授、竹本稔教授そして共同研究者の先生方に心より御礼申し上げます。

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久留米大学 分子生命科学研究所
京都大学医学研究科 分子細胞情報学

椎村祐樹

このたびは、このような名誉ある賞を頂きまして大変、光栄に存じます。また会長の中里雅光先生をはじめ、選考委員の先生ならびに関係する諸先生に心より御礼申し上げます。

グレリンは、摂食亢進性のペプチドホルモンで、脂肪酸のひとつであるオクタン酸の修飾を受けて初めて生理活性を示します。このようなホルモンはほかに見つかっておらず、オクタン酸修飾がなぜグレリンの活性化に必要なのかという命題は、発見から20年経った現在でも重要な研究課題とされています。本研究では、X線結晶構造解析法を用いてグレリン受容体の立体構造を決定し、受容体がグレリンのオクタン酸修飾を識別する分子機構の一端を明らかにしました。本研究を足がかりとして、今後、グレリン受容体のオクタン酸認識機構の解明に努めたいと考えています。

最後に、本研究をご指導いただきました児島将康教授、岩田想教授をはじめ共同研究者の先生に深く感謝申し上げます。

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大阪大学大学院医学系研究科 内分泌・代謝内科学

下 直樹

この度は、第91回日本内分泌学会学術総会におきまして若手研究奨励賞を賜り、誠に光栄に存じます。会長の中里雅光先生ならびに学会関係の諸先生方に心より御礼申し上げます。

私は、糖尿病状態で認められる膵β細胞機能障害(高血糖毒性)の下で発現変動を示し、膵β細胞機能に関わる新規因子Tmem163について研究を進めております。本因子は特に、耐糖能異常もしくは糖尿病の初期段階に関わることが想定されており、膵β細胞機能の維持ならびに糖尿病発症予防という臨床的観点からも、非常に重要な意義を持つものと考えております。

今後は今回の受賞を励みに更なる研究に取り組み、内分泌学、ひいては医学に対してわずかでも貢献できるよう精進していきたいと存じます。最後に、当研究室の下村伊一郎教授、松岡孝昭先生をはじめ研究を御指導頂きました多くの先生方に、この場をお借りして深謝申し上げます。

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宮崎大学医学部内科学講座神経呼吸内分泌代謝学分野

坪内 拡伸

この度は、第91回内分泌学会学術総会におきまして若手研究奨励賞という名誉ある賞を受賞することができ、大変光栄に存じます。

私達の研究室では、内分泌・代謝・呼吸器・神経の4分野を総合的に研究しており、それぞれの専門の先生からアドバイスをいただくことで、広い視野で自分の研究を進めることができます。

私はグレリンの多面的な薬理作用を解明する研究に努めており、特に呼吸器分野におけるグレリンシグナルの役割に注目しています。本研究では、肥満によってもたらされるグレリンシグナルの異常が、気管支喘息の病態を悪化させている可能性について報告させていただきました。私は、複数の分野に跨る研究を進めることで、臨床応用へ進めることができるような新しい知見を見出したいと考えております。今回の受賞を励みに、医学へ少しでも貢献できるよう、日々精進いたします。

最後に、この研究を御指導いただきました中里雅光教授、教室員の先生方、ならびに共同研究者の先生方に、心より御礼申し上げます。

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京都大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌・栄養内科

松尾 浩司

この度は、第91回日本内分泌学会学術総会におきまして、若手研究奨励賞に選出頂き大変光栄に存じます。

本研究ではヒトiPS細胞からステロイド産生細胞の誘導ならびにその分化機序解明を目的に実験を行いました。ヒト副腎皮質の起源とされる中間中胚葉を用いてケミカルスクリーニングを行い、ドーパミンD1受容体のシグナルがステロイド産生細胞の誘導に効果的であることを見出しました。この結果は、未解明な点の多いヒト副腎の発生分化研究において、副腎髄質-皮質連関という新たな可能性を示唆するものであったと考えます。今回の受賞を励みに、今後もさらなる研究の発展に努めたいと考えております。

最後に、本研究において御指導賜りました当科の曽根正勝先生、稲垣暢也教授、iPS細胞研究所の長船健二教授、メディカルイノベーションセンターの中尾一和教授をはじめ、御世話になりました先生方にこの場を借りて心より感謝申し上げます。

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Pituitary center, Cedars-Sinai Medical Center

山本雅昭

この度は第91回日本内分泌学会学術総会に於いて大変名誉ある賞を賜り、会長の中里雅光先生をはじめ選考委員ならび関係の先生方に深謝申し上げます。

現在私は視床下部―下垂体―副腎軸におけるmicroRNAの意義を多角的に検討していますが、その中でACTH産生下垂体細胞におけるソマトスタチン受容体サブタイプ5(SSTR5)が、microRNAを介してCRH受容体の発現および機能を抑制し、その結果ストレス応答を負に制御していることが明らかとなりました。最近では、ヒトにおけるこれらの知見の意義を検討するために、pituitary centerの全面的な協力のもと臨床研究を行っております。

最後になりましたが、いつも変わらず温かいサポートをして下さるDr. Shlomo Melmedをはじめ共同研究者の皆様にはこの場を借りて改めて心より御礼申し上げます。本受賞を糧に引き続き神経内分泌学領域の発展に貢献できるように微力ながらも尽力していく所存です。

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金沢大学新学術創成研究機構

渡邉一史

この度は第91回日本内分泌学会学術総会におきまして若手研究奨励賞という名誉ある賞を賜り、大変光栄に存じます。学術総会会長の中里雅光先生をはじめ、選考委員会の先生方、学会関係者の方々に心より御礼申し上げます。

私は肥満・2型糖尿病の病態の理解を目的として、特に肝臓における糖代謝を中心に研究に取り組んでおります。今回、肥満モデルにおける肝臓の糖取り込み障害メカニズムの解析を行い、脱アセチル化酵素であるSirt2の活性低下が糖取り込み障害に関与することを報告致しました。今後も肥満・2型糖尿病の病態の解明を目指し、今回の受賞を励みにしてより一層の研鑽を重ねて参りたいと考えております。

最後に、井上啓先生をはじめ、日頃よりご指導頂いております諸先生方にこの場をお借りし、深く御礼申し上げます。